米国不動産 Q&A 教えて!けいこ先生

ホーム » 米国不動産 Q&A 教えて!けいこ先生 » 不動産ローン貸付からの利子収入の税務

けいこ先生

けいこ先生(LA在住)
出身地:東京
LAで事務所をもつCPA
30歳
日英バイリンガル

けいこ先生

源さん(日本在住)
出身地:江戸っ子
呉服屋
45歳

  

不動産ローン貸付からの利子収入の税務

げんじ アメリカ不動産を担保にアメリカ居住者に不動産ローンの貸付をしているため、利子収入がありますが、その際の税金について教えてください。
けいこ先生

アメリカ居住者から、アメリカ非居住者への利子の支払いについての取り扱い

・金融機関等から受け取る利子ー免税
米国実質関連所得(Income Effectively Connected with U.S. Trade or Business)でない限り、 内国法でも新日米租税条約においても取り扱いは同じく免税です。金融機関等は、U.S. bank/ U.S. savings & loan company/ U.S. credit union/U.S. insurance company を指し、支払者によるForm 1042-S(アメリカ非居住者に対する米国内で生じた所得に対する課税調書)の報告義務もありません。
源さんが現在お持ちのアメリカの金融機関の預金から
発生する利子収入はこれに該当します。

・その他―通常は30%の源泉徴収が必要ですが、新日米租税条約第11条により、10%に軽減
支払者は源泉の義務があり、Form 1042-Sを利子の受領者に渡す必要があります。

げんじ 私の場合は、金融機関からではないので、新日米租税条約第11条を適用し、10%に軽減されるということですね。これは手続きが必要ですか。
けいこ先生 はい。租税条約は黙っていても適用されませんので、支払者へ「私は日本居住者のため、新日米租税条約第11条を適用し、支払い利子に対しての源泉徴収を10%に軽減してください」という書面(Form W-8BEN:個人の場合、 もしくはForm W-8BEN-E:法人の場合)を提出しなければなりません。
げんじ これはIRS(米国内国歳入庁)のフォームのようですが、支払者へ提出するものなのですか?
けいこ先生 その通りです。源泉徴収義務者の支払者であるアメリカ居住者へ提出します。提出先はIRSでないことに注意してください。
げんじ もしもForm W-8BENの提出をしなかった場合は、どうなりますか。
けいこ先生 30%の源泉徴収がされますが、その後税務申告書を提出することで、過払い分の還付を受けることができます。
げんじ 利子収入について、10%の源泉をされているForm 1042-Sを貰った私は何か更なる報告義務がありますか。
けいこ先生 利子収入の受領者が、個人か法人かで取り扱いが変わります。

個人の場合ーForm 1042-Sできちんと徴収されていれば、税務申告は不要。
(前述しました通り、過払いがある場合は、Form 1040NRにて税務申告し、還付を受け取ることが可能です。)

法人の場合ー税額の支払いはありませんが、Form 1120F(Form8833も必要なケースがあり)の提出が必要です。

 

FacebookTwitterGoogle+Share
住宅ローン、リファイナンス、不動産投資をお考えの方は、今すぐお気軽にご相談ください!