米国不動産 Q&A 教えて!けいこ先生

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けいこ先生

けいこ先生(LA在住)
出身地:東京
LAで事務所をもつCPA
30歳
日英バイリンガル

けいこ先生

源さん(日本在住)
出身地:江戸っ子
呉服屋
45歳

  

不動産関連の項目別控除

げんじ 自宅用の不動産を持っている場合、どんな費用が税務申告で控除できますか?
けいこ先生 自宅用不動産関連の費用では、以下のものがSchedule A(項目別控除)にて控除可能です。
注)数字は毎年変わりますので、目安としてお考えください。

 

1. Real Estate Tax(固定資産税)
資産価値に対して課される通常のReal Estate Taxであれば全額控除が可能です。
Special Assessments、Mello-Roosと呼ばれる、一部地方団体の道路整備などの利便性や改良目的に支払う税金は控除できません。

2. Interest on acquisition indebtedness (住宅取得のための借り入れ利子)
Main home(主たる住居として利用している不動産) と Second home(別荘等として利用している不動産)のみ以下の条件を満たせば、控除できます。
・二軒とも不動産が担保になっていること
・借入金が$1million(夫婦個別申告の場合は$500,000)以下である事
・Second Homeは個人的な目的で住んでいること
第三者に貸していても構いませんが、その場合は、年間14日もしくは、賃貸した日数の10%か、
いずれか長い期間よりも多くの日数を個人的な目的で使用していなければなりません。不動産ローンの支払いのうち元本返済分(Principal)は控除ができません。''Late payment charge''(支払遅延に対して課される遅延損害金)や、''Prepayment penalty''(ローンの支払期限よりも早く完済をすることに対し金融機関が課す費用)も控除可能です。

3. Interest on home equity indebtedness(住宅価値を担保にした借り入れ利息)
HELOC(Home Equity Line Of Credit)とも呼ばれます。
これは簡単に言うと、不動産の公正評価額価額とローンの金額の間にまだ担保余力がある場合に、それを担保にして借りるローンのことです。
なので、不動産の価格が上がっている間は問題ないのですが、現在のように、不動産の価格が下がっている時=担保の価値が下がっている時には、当然ながらローンの額が小さくなる、もしくはローンが組めなくなります。
このHELOCは、借入金の元本が$100,000(夫婦個別申告の場合は$50,000)を限度に控除が可能です。
また、使途の制限がないため、自動車や教育費やその他私的な借り入れのためであっても、控除が可能です。ただしこの利息は、住宅を担保にしていることが条件ですので、担保不足での借り入れの場合は、控除ができません。

4. Points(Loan Origination Fee/ローン作成手数料)
以下条件を満たせば、支払った年の一括控除が可能です。(ローンの支払い年数で按分計上することも選択できます)
・Main home(主たる住居として利用している不動産)に対するもので、その住居が担保になっていること
・一般にポイントがビジネス慣行して行われている地域であること
・ポイントの手数料が不合理に高くないこと
・会計方法で、現金主義(Cash Method)を使っていること
・ポイントの計算資料に、その他費用との合算ではなく、ポイント額が明記されていること
・ローン元本の一定割合でポイント額が計算されていること

等の細かい規定はあるものの、ほとんどの場合は問題なく上の条件をクリアできますので、Main Homeの購入の際のポイントであれば、一括控除ができると考えてよいかと思います。

げんじ リファイナンス(不動産ローンの借り換え)の場合でもポイントは、全額控除の対象ですか?
けいこ先生 リファイナンスの場合や、Second Homeの購入の際に支払いをしたポイントに関しては、一旦資産計上し、ローン支払い年数で按分した金額のみ控除可能になります。
例)15年ローンのために、$6,000のpointsを支払った場合は、6,000÷15=$400が年間控除額となります。

 

5. Mortgage Insurance premiums/Mortgage Insurance (住宅ローン保険掛金/PMI 等と総称される)
Mortgage Insurance premiumsとは、Lender(貸し手の金融機関)を保護するためにBorrower(借り手)が入るように要求される保険の総称です。
一般的に不動産を購入する際に20%以上の頭金があれば、ほとんどの金融機関はこの保険の要求等をせずにローンを組んでくれます。頭金が20%に満たない場合は、金融機関のリスクが大きいため、もし債務不履行になった際にLender(貸し手の金融機関)を保護するMortgage Insurance premiumsへの加入を要求されることが多くなりますが、Home mortgage interestと同じく、控除が可能です。
AGI(調整後総所得)$100,000(夫婦個別申告の場合は$50,000)から控除額が減額され、$109,000(夫婦個別申告の場合は$54,500)を超える方は控除ができません。

これらの費用はForm1098に記載されているはずですので、税務申告の前に是非確認してみて下さいね。

げんじ HOAは控除できないのでしょうか。
けいこ先生 よくご質問を受ける点なのですが、Homeowners’ association charges(HOA/管理組合費)は控除できませんので、ご注意ください。
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